Tシャツ1枚5万円の正体——VETEMENTSが「高すぎる服」であり続ける本当の理由

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ポイント
  • VETEMENTSが高い理由は「少量生産の希少性」「高品質素材と縫製コスト」「文化的プレミアム」の三層構造にある
  • デムナ離脱後もブランドは健在で、2025年も日本市場に積極展開中
  • 公式サイト・DSM・国際ECが主な購入ルート。リセール市場での偽物に要注意

VETEMENTSのパーカーが10万円以上、Tシャツでも5万円を超えることに驚いた人は多いはずだ。「なぜここまで高いのか」という疑問は、このブランドを知るうえで避けて通れない核心でもある。

単に「ハイブランドだから高い」では説明が足りない。VETEMENTSの価格には、デザイン哲学・生産体制・ファッション業界への批評性という複数の要因が絡み合っている。

この記事では、VETEMENTSがなぜ高いのか、その理由を構造的に解説する。ブランドの現状や2025年の動向、日本での購入方法まで幅広くカバーしているので、購入を検討している方にも参考になるはずだ。

ファッションの希少性と価値
目次

VETEMENTSとは何か?ブランドの基本とデザイナーの思想

ヴェトモン デザイナー:デムナ・ヴァザリアが生み出したブランド

VETEMENTSは2014年、ジョージア出身のデザイナー、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)が兄のグラム・ヴァザリアとともに設立したコレクティブ型ブランドだ。パリを拠点に、ファッション業界の慣習そのものを問い直すコンセプトで登場した。

ブランド名はフランス語で「衣服」を意味する普通名詞である。あえてありふれた名前をつけることで、「服とは何か」を根本から問い直す姿勢を示している。

コレクティブという特異な制作体制

VETEMENTSは当初、匿名性の高いデザイナー集団として活動していた。特定の個人に依存しない制作体制は、ラグジュアリー業界では異例のアプローチだった。

デムナはその後2021年にブランドを離れ、現在は弟のグラム・ヴァザリアが主導している。この交代はブランドの転換点となり、後述する「終わった」議論にもつながっている。

ファッション業界への批評性

VETEMENTSの服は単なる衣服ではなく、業界へのコメンタリーでもある。DHL配送員のユニフォームをそのままコレクションに取り入れたり、既存ブランドのロゴを改変してデザインに組み込んだりと、常に挑発的な姿勢を保ってきた。

こうした批評的スタンスが、単なる「おしゃれな服」とは異なる文化的価値を生み出している。価格にはその文化的文脈も含まれていると考えるのが自然だ。

VETEMENTSブランド年表
出来事
2014年デムナ・グラム兄弟によりパリで設立
2015年DHL Tシャツがバイラル的に話題化
2016年デムナ、バレンシアガのクリエイティブ・ディレクターに就任
2021年デムナがVETEMENTSを離脱、グラムが主導へ
2023年価格改定・コレクション体制の再構築
2025年新ラインとデジタル戦略を強化

この年表から読み取れるのは、VETEMENTSが設立からわずか数年で業界に大きなインパクトを与えたという事実だ。特に2016年のデムナのバレンシアガ就任は、ブランドの注目度をさらに高める要因となった。

グラム主導体制に移行した2021年以降、ブランドの方向性が変化している点も見逃せない。この変化が価格や製品ラインにどう影響したかを理解することが、現在のVETEMENTSを評価するうえで重要な視点となる。

VETEMENTSはなぜ高い?価格構造の本質

少量生産・限定流通による希少性の設計

VETEMENTSは意図的に生産数を絞っている。一般的なファストファッションが数万枚規模で製造するのに対し、VETEMENTSのアイテムは数百枚単位での生産が基本だ。

希少性は価格を支える最大の柱の一つである。入手困難であるほど市場での価値は高まり、定価以上のリセール価格がつくことも珍しくない。

素材・縫製コストと職人技術

VETEMENTSのパーカーやTシャツには、高品質なコットンやテクニカル素材が使用されている。縫製はポルトガルやイタリアの専門工場で行われており、生産コスト自体が高い。

また、オーバーサイズシルエットのパターン設計には通常より多くの生地を使う。Tシャツ1枚でも、素材費・縫製費・輸送費を積み上げると、原価が一般的なアパレルとは大きく異なってくる。

ブランドへの「意味の付与」と文化的プレミアム

価格の一部は、物理的なコストではなく「VETEMENTSを着ることの意味」に対して支払われている。ファッション業界への批評性、限定コミュニティへの帰属感、コレクター的価値——これらは目に見えないが確実に価格に反映される。

たとえば、あのDHLロゴTシャツは原価で見れば数千円のアイテムかもしれない。しかし「ファッションの文脈を理解している」ことの証明として機能することで、数万円の価値を持つ。

VETEMENTSの価格帯一覧(目安)
アイテム 定価の目安(円)
Tシャツ50,000〜80,000
パーカー(スウェット)100,000〜180,000
デニムジャケット200,000〜350,000
ブーツ・シューズ150,000〜300,000
キャップ・ハット60,000〜90,000

この表を見ると、Tシャツだけでも5万円以上という価格設定が標準であることがわかる。比較対象として、同じくパリ発のメゾンブランド(例:マルジェラのTシャツ約4〜6万円)と並べると、VETEMENTSがハイエンドラグジュアリーゾーンに位置していることが明確だ。

注目すべきはパーカーの価格帯で、10万〜18万円という幅がある。これは素材・コレクション時期・限定性によって大きく変動するためだ。購入前に公式サイトやセレクトショップで最新価格を確認することを強く推奨する。

VETEMENTSのパーカーとTシャツ——代表アイテムの特徴

VETEMENTSパーカーが支持される理由

VETEMENTSのパーカーは、独特のオーバーサイズシルエットと重みのある素材感で知られている。一般的なパーカーより身丈が長く、袖も極端に長い設計が多い。

着こなし方によってはほぼコートのような存在感を持ち、1枚でスタイリングが完結する点がユーザーに評価されている。価格は高いが、「1着で様になる」という実用的な側面もある。

VETEMENTSのTシャツに見るデザイン哲学

VETEMENTSのTシャツは、シンプルなグラフィックプリントのものから、既存ブランドロゴをオマージュ・改変したものまで多岐にわたる。素材はヘビーウェイトコットンを使用しており、着込むほど体に馴染むエイジングも楽しめる。

デザインの多くは「文脈を知っている人にだけわかる」仕掛けを持っている。一見ただの白Tに見えても、細部にVETEMENTSらしいメッセージが宿っていることが多い。

セカンダリーマーケットでの価格動向

定価で購入できなかった場合、リセールプラットフォームでの購入を検討する人も多い。StockXやGRILED、eBayなどでは、人気アイテムが定価の1.2〜2倍で取引されることもある。

ただし、リセール市場には偽物も出回っている。購入時は必ずタグ・縫製・ロゴの細部を確認するか、認定プラットフォームを利用することが重要だ。

このグラフからわかるのは、VETEMENTSのアイテムはリセール市場でも価値を保ち、むしろ上昇するケースが多いという点だ。特にパーカーは定価比で約38%のプレミアムがついている。

これはブランドの希少性戦略が機能していることを示している。希少性に裏打ちされた価格は「高すぎる」ではなく「需要が供給を上回っている」という市場の評価と読むこともできる。

ヴェトモンは「終わった」のか?現状と2025年の展望

「ヴェトモン 終わった」説の背景

デムナ離脱後、SNSや一部ファッションメディアで「VETEMENTSは終わった」という言説が広まった。主な根拠として挙げられるのは、コレクションのトーンが変わったこと、話題性が以前より低下したことだ。

ただ、これはたぶんブランドの「文脈の転換期」であり、終焉とは異なる現象だと思われる。デムナという強烈なキャラクターに依存していた部分が剥がれ、グラムのビジョンが徐々に形を成している段階とも言える。

グラム・ヴァザリア体制でのVETEMENTS

グラム主導のVETEMENTSは、デムナ時代に比べてより商業的に整理されたコレクションを展開している。突発的な挑発よりも、素材と構造にフォーカスした作りが増えている印象だ。

熱狂的なファンからの反発は理解できる。しかし一方で、「着やすいVETEMENTS」として新たな顧客層を獲得しているという見方もある。

ヴェトモン2025年の最新動向

2025年のVETEMENTSは、デジタル施策の強化とオフラインポップアップの組み合わせによって存在感を維持している。パリのショーだけでなく、アジア市場——特に韓国・日本・中国——への積極的なアプローチが目立つ。

日本では限定アイテムのドロップ形式の販売が増えており、発売直後に完売するケースが続いている。「終わった」ブランドの販売動向とは言いにくい状況だ。

このグラフが示すのは、VETEMENTSへの検索関心は確かにピーク時より下がっているものの、ファッション業界で一定以上の関心を維持しているという事実だ。2017年のバイラル的な爆発的人気と現状を比べれば「落ち着いた」と見えるが、同等規模の他ブランドと比較すれば健闘している水準とも言える。

2025年の再上昇傾向は、新コレクションや日本市場でのイベントが検索を押し上げている可能性が高い。「終わった」というより「成熟した」ブランドへの移行期と解釈するのが実態に近いだろう。

ヴェトモン公式・店舗での購入方法

ヴェトモン公式サイトでの購入

VETEMENTSの公式サイト(vetements.com)では、最新コレクションの直接購入が可能だ。公式ルートの購入は本物の保証とともに、最新の在庫情報も確認できる利点がある。

ただし、人気アイテムは発売後すぐに完売することが多い。メルマガ登録やSNSフォローで入荷通知を受け取る設定をしておくことが購入成功のカギになる。

日本国内のヴェトモン取扱店舗

日本国内では、東京・南青山のドーバーストリートマーケット(DSM)や、伊勢丹新宿などのセレクトゾーンで取り扱いがある。名古屋・大阪にも一部取扱店が存在する。

店舗での購入は試着ができる点が大きなメリットだ。VETEMENTSはサイズ感が独特なため、オーバーサイズの着丈・袖丈を実際に確認してから購入することを強く推奨する。

国内セレクトショップとオンライン購入

SSENSE・Farfetch・LN-CCなどの国際セレクトショップのオンラインストアでも購入可能だ。これらのプラットフォームは正規品を取り扱っており、セール時に定価より安く購入できるチャンスもある。

日本国内への送料・関税を含めた総額をあらかじめ計算しておくと、思わぬ追加費用に驚くことを防げる。

VETEMENTSの日本国内購入ルート比較
購入ルート 正規品保証 試着 価格優位性 在庫の豊富さ
公式サイト×
DSM・百貨店
国際EC(SSENSE等)×
リセールプラットフォーム×△〜×

この表から、最も安心して購入できるのは公式サイトか国内正規店であることがわかる。一方で価格面では国際ECのセール時が有利になることもある。

リセールプラットフォームは在庫が豊富な反面、偽物リスクが伴うため注意が必要だ。初めてVETEMENTSを購入する場合は、多少割高でも正規ルートを選ぶことをお勧めする。

VETEMENTSはハイブランドとして成立しているか?

ラグジュアリーブランドの定義とヴェトモン ハイブランドとしての位置づけ

ハイブランドの定義には「希少性」「職人技術」「歴史的背景」「価格帯」などの要素がある。VETEMENTSはこのうち歴史の短さを除いて多くの要素を備えている。

設立から10年余りで、パリコレの常連となりファッション業界のキーブランドに成長した速度は異例だ。伝統的なメゾンとは異なる路線で「ハイブランド」の資格を獲得した新世代の事例と言えるかもしれない。

マルジェラ・バレンシアガとの比較

VETEMENTSはよくメゾン・マルジェラやバレンシアガと比較される。いずれも「コンセプチュアルで価格の高いパリ発ブランド」という共通点があるが、スタンスは異なる。

マルジェラが解体と再構築の美学を持つのに対し、VETEMENTSはより直接的な社会批評を服に落とし込む傾向がある。バレンシアガがデムナ就任後にストリートとラグジュアリーを融合させたのと対比すると、VETEMENTSはより挑発的でアンダーグラウンドな立ち位置を保っている。

「高い=価値がある」は成立するか

VETEMENTSの価格に対して「高すぎる」と感じるのは自然な反応だ。しかし価格は単なる製造コストの積み上げではなく、文化的文脈・希少性・コミュニティへの帰属感に対する対価でもある。

それに価値を感じるかどうかは、最終的には個人の優先度による——「なぜ高いのか」を理解したうえで「それでも買う」と判断できるなら、その購入は合理的と言えるだろう。

このレーダーチャートを見ると、VETEMENTSは「希少性」と「批評性」においてトップスコアを持ちつつ、「着用利便性」が相対的に低い特徴があることがわかる。これはブランドのコンセプトファーストな設計方針を反映している。

バレンシアガが全体的にバランスの取れたスコアを持つのに対し、VETEMENTSは尖ったプロファイルを示している。どちらが良い・悪いではなく、購入者が何を求めるかによって評価が変わる点が興味深い。

まとめ:VETEMENTSがなぜ高いかを理解して賢く購入する

VETEMENTSが高い理由は、少量生産による希少性、素材・縫製のコスト、そしてファッション業界への批評的スタンスが生み出す文化的価値の三層構造にある。

「高い=価値がある」かどうかは個人の判断によるが、少なくとも価格の根拠は実在する。グラム体制になった現在も、2025年のデータが示す通りブランドは成熟しながらも健在だ。購入を検討するなら、正規ルートを選び、自分がその価値に共感できるかを確かめてから決断することをお勧めする。

FAQ(よくある質問)

VETEMENTSとヴェトモンは同じブランドですか?

同じです。VETEMENTSはフランス語読みで「ヴェトモン」と発音されます。日本語表記として「ヴェトモン」が一般的に使われており、公式サイトでは「VETEMENTS」と表記されています。

検索する際は両方のキーワードで調べると、国内外の情報を幅広くカバーできます。

VETEMENTSのTシャツはなぜ5万円以上するのですか?

主な理由は3つあります。ヘビーウェイトコットンなどの高品質素材の使用、ヨーロッパ工場での縫製によるコスト、そして少量生産による希少性プレミアムです。

それに加えて、ブランドの文化的文脈や「知る人ぞ知る」コミュニティへの帰属感も価格に含まれています。物理的な原価だけでは説明できない部分が、VETEMENTSの価格構造の本質です。

日本でVETEMENTSを購入できる店舗はどこですか?

東京ではドーバーストリートマーケット ギンザ(DSMG)や伊勢丹新宿の一部ゾーンで取り扱いがあります。大阪・名古屋でも一部セレクトショップで購入可能です。

公式サイトや国際ECプラットフォーム(SSENSE、Farfetchなど)でのオンライン購入も選択肢の一つです。店舗在庫は限られているため、訪問前に公式SNSや店舗の在庫情報を確認することをお勧めします。

VETEMENTSは偽物が多いですか?注意点は?

残念ながら、リセール市場には偽物も流通しています。特にフリマアプリや信頼性の低いオークションサイトでは注意が必要です。

見分けるポイントとして、内タグの縫製クオリティ、ロゴフォントの精度、素材の重量感が挙げられます。確実に本物を入手したい場合は、公式サイト・正規取扱店・StockXなどの認定プラットフォームを利用することが最も安全です。

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