- カットオフデニムは2025年も継続トレンド。自分でハサミ1本で簡単に作れる
- ほつれ止めピケや布用接着剤で洗濯に強い仕上げが可能。定期的なメンテナンスが重要
- ダサく見せないコツは丈感とシルエット選び。くるぶし丈×ストレートが最も失敗しにくい
デニムの裾を切りっぱなしにしたカットオフスタイルが、ここ数年でファッションの定番として定着しました。タンスで眠っているデニムを簡単にトレンドアイテムに変身させられるとあって、多くのファッション愛好家から支持を集めています。
この記事では、デニムカットオフの基本から自分でできるカット方法、ほつれ止めテクニック、ダサく見せないコーディネートのコツまで、すべてを網羅的に解説します。初心者でも失敗しない手順を丁寧にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
デニムカットオフとは?基本知識を押さえよう
カットオフデニムとは、デニムパンツの裾をハサミで切り、そのまま切りっぱなしにしたデザインのことを指します。裾を三つ巻き縫いなどで処理せず、あえてほつれた状態を楽しむのが特徴です。
このスタイルの最大の魅力は、ヴィンテージ感とこなれた雰囲気を演出できる点にあります。シンプルなデニムが、裾のラフなニュアンスによって一気におしゃれ度がアップします。また、自分で好みの長さにカットできるため、体型や靴に合わせた調整が簡単にできるのも大きなメリットです。
カットオフデニムは別名「切りっぱなしデニム」とも呼ばれ、ストレートデニム、スキニー、ワイドパンツなど、さまざまなシルエットで楽しめます。特に、くるぶしが見える8分丈から9分丈の長さが人気で、足元に抜け感が生まれ、スタイルアップ効果も期待できます。
2024-2025年デニムトレンド:カットオフスタイルの現在地
2024年から2025年にかけて、デニム市場ではいくつかの注目トレンドが継続しています。カットオフデニムは依然として人気アイテムとして位置づけられ、多くのブランドが展開を続けています。
特に注目すべきは、ワイドストレート、バレルレッグ、そしてクロップド丈のカットオフデニムです。グッチやコーチ、ステラマッカートニーなどのハイブランドも、2025年春夏コレクションでカットオフディテールを取り入れたデニムを発表しており、トレンドの継続が確認されています。
上のグラフからも分かるように、カットオフデニムの人気は2023年にピークを迎えた後、やや落ち着きを見せていますが、依然として高い水準を維持しています。一方で、極細のスキニーデニムは人気が低下し、ワイドシルエットが台頭している傾向が読み取れます。
また、サステナビリティの観点からもカットオフデニムは注目されています。古いデニムを再利用してカットオフにリメイクすることで、新たな購入を抑え、環境負荷を減らせるためです。この「アップサイクル」の流れは、2025年以降もさらに加速すると予想されています。
自分でデニムをカットオフする方法:完全ガイド
それでは、実際に自分でデニムをカットオフする方法を、ステップバイステップで解説します。必要な道具は驚くほどシンプルで、布用のハサミさえあれば基本的には十分です。
必要な道具
- 布用の裁ちバサミ:普通のハサミではデニム生地を切りにくいため、必ず布用を準備しましょう
- 定規またはメジャー:左右の長さを揃えるために必須
- チャコペンまたはボールペン:カットラインをマークする際に使用
- ピンセットまたはリッパー:フリンジ加工をする際に糸を引き抜くのに便利
- サンドペーパー(120番程度):ヴィンテージ感を出したい場合に使用
カットオフの手順
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:理想の長さを決める
まず、デニムを試着して、どの長さでカットしたいかを決めます。くるぶしが基準になることが多く、くるぶしより1〜2cm上がバランスが良いとされています。長めに残したい場合はくるぶしにかかる程度、より軽快に見せたい場合はくるぶしより上にするとよいでしょう。
ポイントは、最初は少し長めにカットすることです。短くしすぎて失敗すると取り返しがつかないため、様子を見ながら徐々に調整するのが賢明です。
ステップ2:正確にマークする
デニムを裏返し、裾から何センチの位置でカットするかを決めたら、定規やメジャーで測りながらチャコペンでマークします。このとき、左右の長さが揃うように複数箇所にマークを入れるのがコツです。
マークをつけた点を結ぶように、カットラインを引きます。元の裾と平行になるように引くことで、まっすぐ切ることができます。
ステップ3:思い切ってカット
布用の裁ちバサミを使い、マークしたラインに沿ってカットします。恐る恐る切ると切り口がガタガタになりやすいので、思い切って一気に切るのがポイントです。ハサミは水平に入れ、刃を大きく開いて一度に多めに切ると、きれいな仕上がりになります。
ステップ4:糸をほぐす
カットが終わったら、切り口を指で優しくほぐします。デニムの横糸(薄いベージュ色の糸)を少し引き出すことで、自然なほつれ感が生まれます。より強いフリンジ効果を出したい場合は、ピンセットやリッパーを使って横糸を丁寧に引き抜きます。
ただし、縦糸(インディゴ色の糸)は切らないように注意してください。縦糸が切れてしまうと、そこからデニムがほつれ続けてしまいます。
ステップ5:洗濯で仕上げる
カットしたデニムをそのまま洗濯機で洗います。デニムを裏返してネットに入れ、通常通り洗濯すると、切り口の織りがほどけて自然な風合いのフリンジができあがります。洗濯後、乾いたら出てきた横糸をハサミで適度にカットして、長さを整えれば完成です。
ほつれ止めテクニック:長持ちさせる秘訣
カットオフデニムの魅力はほつれた雰囲気にありますが、あまりにほつれすぎると見た目が悪くなり、丈も短くなってしまいます。そこで重要なのが適度なほつれ止め処理です。
ほつれ止め方法の比較
| 方法 | 難易度 | コスト | 耐久性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| ほつれ止めピケ | ★☆☆ | 約600円 | ★★★ | 塗るだけで簡単。洗濯OK | 塗りすぎると硬くなる |
| 裁ほう上手(布用接着剤) | ★☆☆ | 約700円 | ★★★ | 強力な接着力。多用途 | 乾燥に時間がかかる |
| 手縫いステッチ | ★★☆ | 約100円 | ★★☆ | 自然な仕上がり。低コスト | 時間と手間がかかる |
| ミシンステッチ | ★★★ | ミシン必要 | ★★★ | プロ級の仕上がり。最も丈夫 | ミシンが必要。技術が要る |
| 100均ほつれ止め液 | ★☆☆ | 約110円 | ★☆☆ | 非常に安価。手軽 | 耐久性が低い。洗濯で弱まる |
上の表からも分かるように、最もバランスが良いのはほつれ止めピケです。価格も手頃で、塗るだけという手軽さながら、洗濯にも対応できる耐久性を持っています。
ほつれ止めピケの使い方
ほつれ止めピケは、切り口に直接塗布するだけの簡単な方法です。以下の手順で使用します。
- カットした切り口全体に、ピケを薄く塗る
- 特に糸が出ている部分には、ポンポンと軽く叩くように塗布する
- 約25分間自然乾燥させる
- 乾燥後、軽く糸を引っ張ってほつれるようなら、再度塗布
- 2〜3回繰り返すと、しっかりとほつれ止めができる
注意点として、塗りすぎると切り口が硬くなってしまうため、薄く何度も重ねるのがコツです。また、透明マニキュアで代用する方法もありますが、洗濯に弱く、プロの推奨方法ではないため、できればほつれ止め専用の製品を使用することをおすすめします。
フリンジカットオフデニムの作り方
カットオフデニムをさらに個性的にアレンジしたいなら、フリンジ加工がおすすめです。フリンジとは、裾の糸を長く垂らして房飾りのようにしたデザインのことで、ボヘミアンな雰囲気やヴィンテージ感を強調できます。
フリンジ加工の手順
基本的なカットオフが完成したら、以下の手順でフリンジ加工を施します。
- 裾を縦方向に細かく切り込みを入れる(1〜2cm間隔で、3〜5cm程度の深さ)
- ピンセットやリッパーを使い、横糸を丁寧に引き抜く
- 縦糸のみを残し、好みの長さにフリンジを整える
- 洗濯してさらに自然なほつれ感を出す
フリンジの長さは好みによりますが、短めなら控えめで大人っぽく、長めならより個性的な印象になります。ただし、フリンジが長すぎるとだらしない印象を与えてしまうため、5cm程度までに抑えるのが無難です。
フリンジの種類とスタイル
上のグラフが示すように、最も人気があり失敗しにくいのはシンプルなカットオフです。フリンジを加えると難易度は上がりますが、その分こなれ感も増します。初心者の方は、まずシンプルなカットオフから始め、慣れてきたらショートフリンジに挑戦するのが良いでしょう。
カットオフデニムがダサく見える理由と対策
カットオフデニムは便利でおしゃれなアイテムですが、着こなし方を間違えるとダサく見えてしまうこともあります。ここでは、よくある失敗パターンとその対策をご紹介します。
ダサく見える5つの理由
- ほつれた糸が長すぎる:だらしない印象を与え、清潔感が損なわれる
- 丈が中途半端:膝丈など微妙な長さは、スタイルが悪く見える原因に
- 古いシルエット:極細スキニーやローライズは時代遅れの印象
- TPOに合っていない:フォーマルな場やビジネスシーンには不適切
- 過度なダメージ加工:安っぽく見え、年齢によっては無理している印象
おしゃれに見せる5つのコツ
これらの失敗を避け、カットオフデニムをおしゃれに着こなすコツを押さえましょう。
1. くるぶし丈を基準にする
最も失敗しにくい丈は、くるぶしが見える8〜9分丈です。くるぶしより1〜2cm上でカットすると、足元に抜け感が生まれ、スタイルアップ効果も期待できます。膝丈や中途半端な長さは避けましょう。
2. ストレート・ワイドシルエットを選ぶ
2025年のトレンドは、ゆとりのあるストレートやワイドシルエットです。極細のスキニーデニムは古臭く見えるため、適度にゆとりのあるシルエットを選びましょう。ハイウエストデザインなら、さらにスタイルアップ効果が期待できます。
3. きれいめトップスでバランスを取る
カットオフデニムのラフさを、きれいめなトップスで中和することが重要です。テーラードジャケット、ブラウス、きれいめニットなどを合わせることで、カジュアルすぎない大人の着こなしが完成します。
4. ほつれは定期的に整える
洗濯のたびにほつれが進行するため、定期的にチェックして長すぎる糸をカットしましょう。フリンジの長さは3〜5cm程度に保つと、清潔感のある仕上がりになります。
5. シューズで全体を引き締める
足元は印象を大きく左右します。白スニーカーやレザーシューズ、ストラップサンダルなど、清潔感のあるシューズを合わせることで、コーディネート全体が引き締まります。
メンズ向けカットオフデニムコーデ術
カットオフデニムは、メンズファッションでも人気のアイテムです。ただし、女性以上に清潔感とバランスに気をつける必要があります。
メンズがカットオフデニムを選ぶポイント
- シルエットはテーパード〜ストレートが基本:ワイドすぎるとだらしなく見える
- 丈はくるぶしが見える程度:短すぎると子どもっぽい印象に
- ダメージは控えめ:過度なダメージは清潔感を損なう
- 色は濃いめが無難:インディゴやブラックが大人っぽい
おすすめメンズコーデ3選
カジュアルスタイル
白Tシャツやシンプルなカットソーに、カットオフデニムとスニーカーを合わせた定番スタイル。ポイントは、トップスをインして腰位置を高く見せること。足元は白スニーカーで清潔感を出しましょう。
きれいめカジュアル
テーラードジャケットやシャツジャケットと合わせることで、カジュアルすぎない大人の着こなしに。カットオフデニムのラフさが、きれいめアイテムに適度な抜け感を与えてくれます。足元はレザーシューズやローファーがベストマッチ。
ストリートスタイル
オーバーサイズのパーカーやスウェットと合わせたストリートコーデ。ただし、上下ともにルーズだとだらしなく見えるため、トップスがゆったりならボトムスはタイトめというメリハリが重要です。
カットオフショーツの作り方
夏に活躍するカットオフショーツも、同じ要領で簡単に作ることができます。長すぎて履かなくなったデニムを、ショーツにリメイクして再活用してみましょう。
ショーツにする際の注意点
- 丈は膝上5〜10cmが目安:短すぎると下着が見えるリスクがある
- 試着しながら少しずつカット:座ったときの丈感も確認する
- ポケットが出ないか確認:短くしすぎるとポケットの底が見える
- ロールアップも考慮:長めに残してロールアップする着こなしも可能
ショーツの場合も、フリンジ加工をすることでよりこなれた印象になります。ただし、フリンジが長すぎると座ったときに気になるため、2〜3cm程度の短めフリンジがおすすめです。
プロに任せる選択肢:お直し店でのカットオフ
自分でカットするのが不安な方や、大切なデニムを失敗したくない方は、お直し店にカットオフを依頼することもできます。
主なお直し店のカットオフサービス
| 店舗名 | 料金目安 | 仕上がり日数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ユニクロ | 500円前後 | 即日〜3日 | 購入品のみ対応。シンプルなカットオフ |
| リーバイス | 1,100円 | 7日前後 | 同系色糸でほつれ止め。自然な仕上がり |
| 一般のお直し店 | 800円〜1,500円 | 3〜7日 | フリンジ加工やダメージ加工も相談可能 |
| 専門リペアショップ | 1,500円〜3,000円 | 7〜14日 | こだわりの仕上げ。ヴィンテージ加工も可能 |
プロに依頼する最大のメリットは、失敗のリスクがなく、きれいに仕上がる点です。特に高価なデニムや思い入れのあるアイテムは、多少費用をかけてもプロに任せる方が安心でしょう。
カットオフデニムの洗濯とメンテナンス
カットオフデニムを長く愛用するためには、適切な洗濯とメンテナンスが欠かせません。
洗濯の基本ルール
- 必ず裏返して洗う:色落ちと摩擦によるダメージを最小限に
- ネットに入れる:切り口の糸が他の衣類に絡むのを防ぐ
- デリケートモードを使用:優しく洗うことで生地を保護
- 冷水で洗う:色落ちと縮みを防ぐ
- 自然乾燥が基本:乾燥機は縮みの原因になる
- 直射日光を避ける:色褪せを防ぐため陰干しがベスト
メンテナンスのタイミング
洗濯後は毎回、切り口のほつれ具合をチェックしましょう。糸が5cm以上伸びている場合は、ハサミで適度にカットします。また、3〜5回洗濯するごとに、ほつれ止めピケを塗り直すと、長期間きれいな状態を保てます。
まとめ:カットオフデニムで自分らしいスタイルを
デニムカットオフは、古いデニムを蘇らせる簡単で効果的なリメイク方法です。ハサミ1本あれば誰でも挑戦でき、自分好みの長さやスタイルにカスタマイズできるのが最大の魅力です。
大切なのは、丈感とシルエットのバランス、そして適度なメンテナンスです。くるぶし丈を基準に、ほつれは短く整え、きれいめアイテムと組み合わせることで、ダサく見えることなくトレンド感のある着こなしが完成します。
まずは履かなくなったデニムで気軽に試してみて、慣れてきたらフリンジ加工やダメージ加工にも挑戦してみてください。自分だけのオリジナルカットオフデニムで、ファッションをもっと楽しみましょう。

